収納付きベッドは省スペースで非常に便利ですが、購入を検討する上でデメリット、特に湿気の問題は避けて通れません。
湿気が原因で大切な布団やマットレスにカビが発生し、不快な臭いに悩まされたり、ひどい場合にはゴキブリの発生につながることもあります。
実際に知恵袋などを見ると、安易に選んで後悔したという声も少なくありません。
この記事では、収納付きベッドの湿気やカビの根本的な原因から、万が一カビが生えた場合の具体的な対策、日々の掃除のポイントまで、あらゆる疑問に答えます。
また、すのこやサーキュレーターといった便利グッズの活用法、ニトリなどの人気製品も含めた賢い選び方の比較、そしておすすめの対策を徹底的に解説します。
後悔しないベッド選びのために、ぜひ最後までご覧ください。
収納付きベッドのデメリット!湿気が引き起こす問題点
湿気によるカビの根本的な原因
収納付きベッドで湿気がこもり、カビが発生してしまうのには、明確な理由があります。
主に「人が睡眠中にかく汗」と「ベッド自体の通気性が悪い構造」の2つが組み合わさることが、根本的な原因と考えられます。
まず、人は健康な状態でも、一晩平均コップ1杯分(約200ml)もの汗をかくと言われています。
この汗や体から発せられる水蒸気は、掛け布団やシーツを通過し、マットレスへと浸透していきます。そして、水分は重力によってマットレスの下方へ移動しますが、ここからが問題です。
通常の脚付きベッドであれば、ベッド下に空間があるため空気が流れ、湿気は自然と拡散されます。
しかし、収納付きベッドの場合は、マットレスのすぐ下が引き出しや収納スペースで塞がれています。
このため、湿気の逃げ場がなくなり、マットレスの底面とベッドの床板との間に滞留してしまうのです。この密閉された空間が、カビにとって絶好の繁殖環境を作り出します。
特に、床板が一枚板のパネルタイプになっているベッドは注意が必要です。すのこタイプと比較して空気の通り道がほとんどないため、湿気がダイレクトに溜まり続けます。
これが、収納付きベッドが「カビやすい」と言われる最大の理由です。

布団やマットレスへの湿気の影響
ベッド下に溜まった湿気は、当然ながら毎日使用する布団やマットレスに深刻な影響を及ぼします。最も直接的な影響は、やはりカビの発生です。
マットレスの裏側を見てみたら、黒い点々が広がっていた、という事態も少なくありません。
一度マットレスにカビが生えてしまうと、完全に除去するのは非常に困難になります。
表面的なカビは拭き取れても、内部の繊維にまで菌糸が根を張ってしまうと、いくら対策をしても再発を繰り返すことがあります。
カビの生えたマットレスで眠ることは、胞子を吸い込むことになり、アレルギー性鼻炎や喘息、皮膚炎といった健康被害を引き起こすリスクも高まります。
また、カビだけではなく、湿気はダニの繁殖も促進します。
ダニは高温多湿の環境を好み、人のフケやアカをエサにするため、湿ったマットレスはまさに理想の住処です。
ダニの死骸やフンもアレルギーの原因となるため、カビとの相乗効果で、睡眠環境はどんどん不衛生になってしまいます。
このように、収納付きベッドの湿気は、単にジメジメして不快というだけでなく、寝具の寿命を縮め、健康をも脅かす可能性がある、見過ごせない問題なのです。

収納スペースが臭いと感じたら
久しぶりにベッド下の引き出しを開けたら、なんとなくカビ臭い、あるいは衣類が湿っぽいと感じた経験はないでしょうか。
それは、収納スペースの湿度が危険なレベルに達しているサインかもしれません。
この不快な臭いの主な原因は、カビや雑菌の繁殖によるものです。前述の通り、マットレスを通過した湿気はベッド下に溜まります。
その湿気が、今度は収納している衣類やリネン類、その他の物品に吸収されてしまうのです。特に、綿や麻などの天然繊維は吸湿性が高いため、湿気を吸い込んでカビの温床となりやすい傾向があります。
収納スペースは、日常的に開閉するタンスとは異なり、一度物をしまうと長期間そのままになりがちです。
特に、季節外れの衣類や来客用の寝具などを収納している場合、開閉頻度は極端に低くなります。
空気が全く循環しない密閉空間で湿気がこもり続ければ、雑菌が繁殖し、独特の嫌な臭いを発生させるのは当然の結果と言えます。
もし収納スペースから異臭がした場合、それは収納物だけでなく、ベッドフレーム自体にもカビが発生している可能性を示唆しています。
臭いを放置することは、健康被害のリスクを高めるだけでなく、大切な衣類やベッドそのものをダメにしてしまうことにも繋がりかねません。

掃除がしにくい構造的な問題点
収納付きベッドのデメリットとして、掃除のしにくさも頻繁に指摘されます。
通常のベッドであれば、ベッド下にはある程度の空間があるため、掃除機やフロアワイパーが入りやすく、ホコリを簡単に取り除くことができます。
一方、収納付きベッドは床との隙間がほとんどありません。
引き出しタイプの場合、引き出しをすべて取り外さない限り、ベッドの奥まで掃除することは不可能です。この作業は非常に手間がかかるため、ついつい掃除を後回しにしがちになります。
跳ね上げ式の場合も同様で、収納物を一度すべて取り出さなければ、底板部分の掃除はできません。
その結果、ベッドの下にはホコリや髪の毛、ダニの死骸などがどんどん蓄積されていきます。ホコリは湿気を吸いやすく、カビやダニのエサにもなるため、不衛生な環境をさらに悪化させる要因となります。
また、引き出しとベッドフレームの間や、引き出しのレール部分など、構造が複雑な分、ホコリが溜まりやすい箇所が多いのも特徴です。
これらの細かい部分の掃除はさらに手間がかかり、衛生的な状態を保つには相当な労力が必要になります。
このように、収納力を得る代わりに、日々のメンテナンス性が犠牲になっている点は、購入前に十分に理解しておくべきポイントです。

湿気とホコリがゴキブリを呼ぶ
考えたくないことですが、湿気とホコリが溜まった不衛生な環境は、ゴキブリなどの害虫にとっても格好の隠れ家となります。ゴキブリは、暗くて暖かく、湿気の多い狭い場所を好む習性があります。
収納付きベッドの下は、まさにこの条件に当てはまります。
掃除が行き届かずホコリが溜まり、湿気がこもったベッド下は、ゴキブリが潜み、卵を産み付けるのに最適な環境です。
さらに、ホコリの中には髪の毛やフケ、食べ物のカスなどが混じっていることもあり、それらが害虫のエサになる可能性もあります。
ベッドは一日の疲れを癒す神聖な場所であるはずです。そこで害虫に遭遇するような事態は、精神的にも大きなストレスとなります。
収納付きベッドを選ぶ際は、単に湿気やカビの問題だけでなく、掃除のしやすさまで考慮することが、結果的に害虫を寄せ付けないクリーンな環境を維持することに繋がります。
利便性の裏に潜む衛生面でのリスクを軽視せず、こまめな掃除と湿気対策を両立させることが大切です。

知恵袋にみるリアルな後悔の声
インターネット上のQ&Aサイト、特にYahoo!知恵袋などを見ると、収納付きベッドを購入して後悔したという利用者のリアルな声が数多く見つかります。
これらの体験談は、カタログや商品説明だけでは分からない、実際の使い心地や問題点を浮き彫りにしています。
最も多く見られる後悔の声は、やはり「湿気」と「カビ」に関するものです。
「引き出しに入れていた衣類が、なんとなくジメッとしていて気持ち悪い」
「マットレスをめくったら、床板にびっしりと黒カビが生えていて愕然とした」
「梅雨の時期、引き出しの中がカビ臭くなってしまい、結局何も入れられなくなった」
といった声は、枚挙にいとまがありません。
また、掃除のしにくさやベッドの重さに関する不満も目立ちます。
「ベッドが重すぎて、一度設置したら模様替えが絶対にできない」
「引き出しを外して掃除するのが面倒で、数年ぶりに動かしたらホコリの量に驚いた」
「引き出しを開けるスペースが必要で、部屋のレイアウトが制限されてしまった」
という意見も、購入前に考慮すべき重要なポイントです。
これらの知恵袋での声は、収納付きベッドが持つ潜在的なデメリットを教えてくれます。
便利さだけに目を奪われず、こうしたネガティブな側面も理解した上で、自分のライフスタイルや住環境に適しているかを慎重に判断することが、購入後の後悔を避ける鍵となります。

収納付きベッドのデメリットと湿気問題への完全対策
カビが生えた場合の具体的な対策
万が一、ベッドフレームや収納内部にカビを発見してしまった場合でも、慌てずに対処することが大切です。初期段階であれば、適切な方法で除去し、再発を防ぐことが可能です。
まずは安全の確保
作業を始める前に、必ずマスク、ゴム手袋、できればゴーグルを着用してください。カビの胞子を吸い込んだり、薬剤が皮膚に付着したりするのを防ぐためです。
また、部屋の窓を開けて、十分に換気しながら作業を行いましょう。
カビの除去手順
- 表面の拭き取り
まず、乾いた布やティッシュで、目に見えるカビをそっと拭き取ります。このとき、カビを広げないように、一方向に優しく拭うのがコツです。使った布はすぐにビニール袋に入れて密閉し、廃棄します。 - 消毒用エタノールで殺菌
スプレーボトルに入れた濃度70~80%の消毒用エタノールを、カビの生えた箇所にまんべんなく吹きかけます。エタノールがカビの内部に浸透するまで、10~15分ほど放置してください。漂白剤は木材を傷めたり変色させたりする可能性があるため、ベッドフレームへの使用は避けるのが賢明です。 - 拭き取りと乾燥
固く絞った清潔な布で、エタノールをスプレーした部分を叩くようにして拭き取ります。こするとカビが広がってしまうため注意しましょう。その後、ドライヤーの冷風や扇風機などを使い、その部分を完全に乾燥させます。少しでも湿気が残っていると、再発の原因になります。
カビの除去はあくまで応急処置です。最も重要なのは、カビが繁殖した原因である湿気の多い環境を改善することです。
除去作業が終わったら、すぐさま日々の湿気対策を見直し、実践する必要があります。

すのこやサーキュレーター等の便利グッズ
収納付きベッドの湿気対策は、日々の心がけに加えて、便利なグッズを活用することで、より効果的に行うことができます。ここでは代表的な対策グッズを紹介します。
グッズの種類 | 主な役割 | 効果的な使い方 | 注意点 |
除湿シート | マットレス下の湿気を直接吸収する | マットレスとベッドの床板の間に敷いて使用します | 吸湿量には限界があるため、定期的な天日干しや交換が必要です |
置き型除湿剤 | 収納スペース内部の湿気を取る | 引き出しの中や、跳ね上げ式ベッドの収納庫の隅に置きます | 水が溜まるタイプは、こぼさないように注意して交換します |
すのこ(押入れ用など) | 収納物と床板の間に空気層を作る | 跳ね上げ式ベッドの底板に敷き、その上に物を収納します | ベッド下の高さに合うサイズを選ぶ必要があります |
サーキュレーター | ベッド下の淀んだ空気を強制的に循環させる | 部屋の換気時に、ベッド下に向けて風を送り込みます | 就寝中に直接体に風が当たると体調を崩すことがあるため注意します |
布団乾燥機 | マットレス内部の湿気を熱で強制的に乾燥させる | 定期的に使用することで、カビ予防とダニ対策が同時にできます | マットレスの素材が高温に対応しているか、事前に確認が必要です |
これらのグッズを単体で使うだけでなく、複数組み合わせることで、さらに高い効果が期待できます。
例えば、「除湿シート」を敷いた上で、定期的に「布団乾燥機」をかけ、部屋の換気時には「サーキュレーター」を回すといった複合的な対策が、快適な睡眠環境を維持する鍵となります。

人気のニトリ製品の湿気対策は?
「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるニトリは、収納付きベッドのラインナップも豊富で、多くの人に選ばれています。
価格が手頃でデザイン性も高いニトリの製品ですが、湿気対策についてはどう考えればよいのでしょうか。
ニトリの収納付きベッドにも、他のメーカーと同様に、様々なタイプの床板が存在します。購入を検討する際に最も注目すべき点は、やはり「床板がすのこ仕様になっているか」という点です。
ニトリ「N-ジオ HL」シリーズは床板がすのこ仕様で通気性を確保しつつ、引き出しはBOX構造というハイブリッド型です。湿気が気になるなら“すのこ床板”を必須条件にしましょう。
また、引き出しの構造にも注目です。ホコリの侵入を防ぐ「BOX構造」の引き出しを採用したモデルもあります。
これは密閉性が高いため、ホコリ対策には有効ですが、一方で湿気が一度こもると抜けにくいという側面も持ち合わせています。
BOX構造のベッドを選ぶ場合は、前述した除湿剤を引き出しに入れるなどの対策を、より一層徹底することが大切です。
ニトリはベッドフレームだけでなく、除湿シートやNクールのような機能性寝具も充実しています。
ベッド本体を選ぶ際に、これらの湿気対策グッズを一緒に揃えることで、効果的な対策をすぐに始めることができます。
ニトリ製品を選ぶ場合でも、基本的な湿気対策の考え方は同じです。製品の仕様をよく確認し、必要な対策グッズを併用することが後悔しないためのポイントです。

おすすめの選び方と比較ポイント
収納付きベッドで後悔しないためには、自分のライフスタイルや住環境に合わせて、最適な一台を選ぶことが何よりも大切です。ここでは、選ぶ際に比較すべき重要なポイントをいくつか紹介します。
①床板の種類で選ぶ:「すのこ」は必須条件
前述の通り、湿気対策を最優先に考えるなら、床板は「すのこ仕様」であることが絶対条件です。
板と板の間に隙間があることで、マットレスの下に空気の通り道ができ、湿気が格段に逃げやすくなります。商品情報を見る際は、まず床板のタイプを確認しましょう。
②収納タイプで選ぶ:開閉頻度と収納物を考える
収納付きベッドには、主に「引き出し式」と「跳ね上げ式」があります。
- 引き出し式
下着やパジャマなど、日常的に出し入れするものを収納するのに向いています。頻繁に開閉することで、自然と換気の機会が生まれます。 - 跳ね上げ式
スーツケースや季節家電、来客用の布団など、大きくて使用頻度の低いものを収納するのに最適です。ただし、開閉の機会が少ない分、意識的な換気や強力な除湿対策が不可欠です。 何を収納したいか、どれくらいの頻度で出し入れするかを考えて、自分の使い方に合ったタイプを選びましょう。
③ベッドフレームの素材で選ぶ:調湿効果のある木材
ベッドフレームの素材も、湿気対策において意外と重要です。特に「桐(きり)」は、古くからタンスの材料として使われてきたように、優れた調湿効果を持つことで知られています。
湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥しているときには放出する性質があるため、ベッド周りの湿度を安定させるのに役立ちます。
予算に余裕があれば、桐材を使用したベッドフレームを検討するのも一つの手です。
これらのポイントを総合的に比較し、自分の部屋の広さやレイアウト、そしてどの程度メンテナンスに手間をかけられるかを考慮して、最適なベッドを選ぶことが、快適な睡眠環境への第一歩となります。
収納付きベッドのデメリットと湿気対策の総まとめ
この記事では、収納付きベッドの湿気にまつわるデメリットと、その完全対策について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。