洗濯機のバツマークの意味は?衣類表示とエラーの対処法

洗濯機のバツマークの意味は?衣類表示とエラーの対処法 洗濯・乾燥の悩み
  

お気に入りの衣類や大切なファブリック製品に付いている洗濯機のバツマークを見て、洗濯をためらってしまった経験はありませんか。

この記号の本当の意味は何なのか、もし洗濯したらどうなるのか、そして一体どうするべきなのか、多くの疑問が浮かびます。

特に、普段見慣れている洗濯表示の手洗いマークとの違いや、便利なタンブル乾燥、あるいは家庭用の乾燥機が使えるのかどうかは、多くの方が知りたい点です。

また、これはドライクリーニングに出すべきなのか、他のダメマークや禁止マークの一覧にはどんなものがあるのかも気になるところでしょう。

調べていくうちに「布団のような大きなアイテムはどうなのか?」「そもそも洗ってはいけないものは何か?」という、より具体的な疑問が出てくるかと思います。

この記事では、洗濯での失敗や後悔を避けるために、洗濯表示のバツマークが持つ正しい意味から、具体的な取り扱い方法、クリーニングの適切な利用法まで、網羅的に分かりやすく解説していきます。

  • 洗濯表示にあるバツマークの正しい意味がわかる
  • 家庭で洗える衣類とクリーニングに出すべき衣類を見分けられる
  • 乾燥機が使えない衣類とその理由が理解できる
  • 洗濯に失敗しないための具体的な対処法を学べる

知っておきたい洗濯機のバツマークの意味

  • バツマークが示す基本的な意味とは?
  • 家庭での洗濯禁止を示す桶の記号
  • 洗濯表示にある手洗いマークの見方
  • ドライクリーニングができる衣類
  • 判断に迷ったらクリーニング店へ相談

    バツマークが示す基本的な意味とは?

    衣類のタグに付いている洗濯表示のバツマークは、「家庭での洗濯ができない」ということを示す、非常に大切なサインです。

    これは、洗濯機を使った洗濯はもちろん、手洗いであっても水を使って洗うことが推奨されないことを意味しています。

    なぜなら、このマークが付いている衣類は、水に濡れることで素材が持つ風合いが損なわれたり、縮みや型崩れ、色落ちといった回復が難しいダメージを受けたりする可能性が非常に高いからです。

    衣類の製造メーカーは、製品を長く良い状態で使用してもらうため、また洗濯によるトラブルを防ぐために、この記号を用いて警告しています。

    したがって、この表示がある場合は、安易に自己判断で水洗いをするのではなく、表示が示す指示に従うことが、衣類を長持ちさせるための基本となります。

    バツマークが示す基本的な意味とは?
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    家庭での洗濯禁止を示す桶の記号

    家庭での洗濯ができないことを示す記号は、水を張った洗濯桶に大きくバツ印(×)が描かれたデザインで統一されています。

    この記号は、2016年12月から国際規格に合わせて新しくなった洗濯表示(JIS L 0001)の一つです。詳しくは、JAFIC公式サイトの洗濯表示解説ページもご参照ください。

    この記号が示す「家庭での洗濯禁止」には、洗濯機洗いと手洗いの両方が含まれます。市場にはまだ古い表示の衣類も流通していることがありますが、

    古い表示でも洗濯桶にバツ印が付いているマークは同様に水洗い不可を意味しており、基本的な解釈は変わりません。

    衣類を洗う前には、まずこの洗濯桶の記号の有無を確認する習慣をつけることが大切です。この一つの記号を確認するだけで、洗濯による多くの失敗を防ぐことができます。

    家庭での洗濯禁止を示す桶の記号
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    洗濯表示にある手洗いマークの見方

    洗濯桶にバツ印が付いたマークとは対照的に、家庭での洗濯が可能であることを示すマークも存在します。その代表的なものが、洗濯桶の中に手が描かれている「手洗いマーク」です。

    この記号がある衣類は、一般的に液温40℃以下を目安に、手でやさしく洗うことが推奨されています。通常の洗濯機洗いよりも生地への負担が少ないため、デリケートな素材の衣類によく見られます。

    また、最近の洗濯機に搭載されている「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」「ドライコース」といった、やさしい水流で洗う機能を使えば、このマークの衣類を洗濯機で洗える場合もあります。

    ただし、洗濯機を使用する際には、衣類を洗濯ネットに入れる、洗剤はおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用するといった配慮が、衣類を傷めないために不可欠です。

    どちらの方法で洗うにしても、ゴシゴシと強くこするような洗い方は避け、丁寧に扱うことが求められます。

    洗濯表示にある手洗いマークの見方
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    ドライクリーニングができる衣類

    家庭での水洗いができない衣類には、クリーニング店での専門的な洗浄を推奨するマークが付いていることが多くあります。それが「ドライクリーニング」の記号です。

    この記号は円形で表され、中に「P」や「F」といったアルファベットが書かれています。これらのアルファベットは、クリーニング店が使用する溶剤の種類を指定するものです。

    ドライクリーニングは、水の代わりに専用の有機溶剤を使って汚れを落とす洗濯方法で、水によって縮んだり型崩れしたりするデリケートな素材に適しています。

    注意点として、まれに「ドライクリーニング可」のマークと「手洗い可」のマークが両方表記されている衣類があります。

    これは、どちらの方法でも洗浄可能ですが、素材や仕上がりに応じて最適な方法を選ぶことが推奨されます。

    この場合は、家庭での手洗いも可能ですが、より確実に風合いを保ちたい、あるいはアイロンがけなどの仕上げに自信がない場合は、表示に従ってクリーニング店に依頼するのが最も安心な選択肢と考えられます。

    ドライクリーニングができる衣類
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    判断に迷ったらクリーニング店へ相談

    衣類の洗濯表示を確認した際に、「水洗い不可」と「ドライクリーニング不可」の両方のマーク(桶にバツと丸にバツ)が付いている場合があります。

    これは、家庭での水洗いも、クリーニング店での一般的なドライクリーニングもできない、非常にデリケートな製品であることを示しています。

    このような表示は、特殊な加工が施された生地、複数の異なる素材を組み合わせたデザイン性の高い服、あるいは革製品や毛皮などに見られます。

    これらの衣類は、洗浄方法を間違えると修復不可能なダメージを受けてしまうリスクが極めて高いです。

    もし、ご自身の衣類にこのような表示があり、お手入れの方法に迷った場合は、決して自己判断で処理しようとせず、経験豊富なクリーニング店に相談してください。

    プロの目で素材や汚れの状態を診断してもらい、ウェットクリーニングといった特殊な技術での対応が可能かどうかを判断してもらうことが、大切な一着を守るための最善の方法となります。

    判断に迷ったらクリーニング店へ相談
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    洗濯機のバツマークがある時の対処法

    • 具体的に洗ってはいけないものは?
    • 布団を洗う前に見るべき洗濯表示
    • タンブル乾燥など乾燥機の記号に注意
    • 水洗い以外のダメマーク 禁止マーク 一覧
    • 洗濯したらどうなる どうするべき?
    • まとめ:洗濯 機 バツマークの総点検

      具体的に洗ってはいけないものは?

      水洗い不可のマークが付いている衣類には、特定の素材が使われている共通点があります。これらの素材は水に弱く、洗濯によって特性が変化してしまう可能性が高いです。

      水に弱い代表的な素材

      • レーヨン、キュプラ
        シルクに似た光沢と肌触りを持つ再生繊維ですが、水に濡れると繊維が膨らんで強度が著しく低下し、縮みや型崩れが起きやすい性質があります。
      • ウール、カシミヤ、シルク
        これらの動物性繊維は、水と物理的な力が加わることで繊維の表面にあるスケール(うろこ状の組織)が絡み合い、フェルト化して硬く縮んでしまうことがあります。
      • 皮革(レザー)製品
        水に濡れると硬化したり、シミや色落ち、カビの原因になったりします。特にスエードなどの起毛革は水分を吸収しやすく、変色や風合いの損失につながるため、より注意が必要です。
      • 麻(リネン)の一部
        シワになりやすく、製品によっては特殊な加工が施されており、水洗いで風合いが大きく損なわれることがあります。

      このほか、ビーズや刺繍、スパンコールといった繊細な装飾が施されている衣類や、ジャケットの肩パッドのように内部に形の崩れやすい芯地が使われているものも、水洗いを避けるべき対象です。

      具体的に洗ってはいけないものは?
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      布団を洗う前に見るべき洗濯表示

      衣類だけでなく、布団のような大きな寝具にも洗濯表示は必ず付いています。布団を清潔に保つためには、この表示を正しく理解することが第一歩です。

      まず確認すべきは、衣類の場合と同様に「洗濯桶のマーク」です。洗濯機で洗えるマークや手洗い可能なマークがあれば、家庭での洗濯ができます。

      一方で、桶にバツ印が付いている場合は、水洗いができません。この場合は、クリーニング店に依頼する必要があります。

      水洗い可能な布団であっても、注意すべき点があります。それは、ご家庭の洗濯機の容量です。布団はサイズが大きく、水を含むと非常に重くなります。

      容量を超えて無理に洗濯すると、洗浄力が落ちるだけでなく、洗濯機の故障の原因にもなりかねません。

      洗濯表示と併せて、洗濯機の取扱説明書で洗える布団のサイズや重さを必ず確認し、容量が足りない場合はコインランドリーの大型洗濯機を利用するなどの対応が求められます。

      布団を洗う前に見るべき洗濯表示
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      タンブル乾燥など乾燥機の記号に注意

      衣類を洗濯した後、乾燥機の使用可否を判断することも重要です。この判断基準となるのが「タンブル乾燥」に関する記号です。

      タンブル乾燥とは、洗濯物を回転させながら温風を当てて乾かす方法のことで、家庭用洗濯乾燥機やコインランドリーのガス乾燥機がこれに該当します。

      洗濯表示では、正方形の中に円が描かれたマークで示され、円の中に点が1つなら低温乾燥、点が2つなら高温乾燥が可能であることを表します。

      このマークに大きなバツ印が重なっている場合は、「タンブル乾燥禁止」を意味し、乾燥機の使用はできません。

      この表示がある衣類は、主に熱に弱い素材で作られています。タンブル乾燥機にかけると、熱によって生地が大幅に縮んだり、硬くなったり、風合いが永久に失われたりする危険性があります。

      タンブル乾燥ができない衣類は、洗濯表示に示されている干し方の指示(つり干しや平干しなど)に従い、自然乾燥で乾かすのが原則です。

      タンブル乾燥など乾燥機の記号に注意
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      水洗い以外のダメマーク 禁止マーク 一覧

      衣類のお手入れでは、水洗いや乾燥の可否だけでなく、他の処理に関する禁止マークにも注意を払う必要があります。

      代表的な禁止マークを知っておくことで、さらに洗濯の失敗を減らすことができます。

      これらのマークは、特定の化学薬品や処理方法が衣類に与えるダメージを防ぐための重要なサインです。以下の表で、主な禁止マークとその意味を確認しましょう。

      記号の形状禁止されていること
      桶にバツ家庭での洗濯(水洗い、手洗い)
      三角形にバツ塩素系および酸素系の漂白剤の使用
      四角と丸にバツタンブル乾燥(家庭用・コインランドリー乾燥機)
      アイロンにバツアイロン仕上げ
      丸にバツドライクリーニング

      例えば、うっかり漂白剤を使用してしまったり、高温でアイロンをかけてしまったりすると、色抜けや生地の溶融など、取り返しのつかない事態につながることがあります。

      洗濯から仕上げまで、一連の工程で関連する表示をすべて確認する習慣が大切です。

      水洗い以外のダメマーク 禁止マーク 一覧
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      洗濯したらどうなる どうするべき?

      水洗い不可の表示がある衣類を自己判断で洗うことは、メーカーの保証対象外となる行為であり、大きなリスクを伴います。

      もし洗濯してしまった場合、素材の縮みや伸び、色移り、風合いの変化など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

      それでも家庭で洗うことを試みる場合は、必ず自己責任で行うという覚悟が必要です。

      その際は、いきなり全体を洗うのではなく、まず衣類の裏側など目立たない部分に水を含ませた白い布を当て、色落ちや生地の変化がないかを確認する事前テストが不可欠です。

      手洗いする際は、30℃以下の水におしゃれ着洗い用の中性洗剤を溶かし、こすらずにやさしく押し洗いします。

      すすぎも同様に押し洗いし、脱水は絶対に絞らず、大きなバスタオルに挟んで水分を吸い取るか、洗濯機で30秒以内のごく短い時間で行います。

      干す際は、伸びや型崩れを防ぐために平干し用のネットを使うのが基本です。

      万が一、洗濯によって衣類が縮んでしまった場合は、ヘアコンディショナーを溶かしたぬるま湯に浸け置きしたり、アイロンのスチームを当てながらやさしく伸ばしたりすることで、ある程度回復するケースもありますが、完全な復元は難しいと考えられます。

      洗濯したらどうなる どうするべき?
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      まとめ:洗濯機のバツマークの総点検

      • 洗濯桶にバツ印は家庭での洗濯ができないという意味
      • 洗濯機洗いも手洗いも原則として不可
      • 水に弱いデリケートな素材の衣類に付いていることが多い
      • 無理に洗うと縮みや型崩れ、色落ちの原因になる
      • 手洗いマークは桶に手が描かれた記号で家庭で洗える
      • ドライクリーニングは丸にPやFの記号で専門店の処理
      • タンブル乾燥の禁止マークは乾燥機が使えないサイン
      • 漂白剤やアイロンにもそれぞれ禁止マークがある
      • 洗濯表示は2016年12月に国際規格に統一された
      • 水洗い不可の理由は素材の特性を保護するため
      • レーヨンやウール、シルクは特に水に弱い素材の代表格
      • 布団の洗濯表示も衣類と同じルールで確認する
      • 自己判断で洗う行為はメーカーの保証対象外
      • 洗う前には目立たない場所での色落ちテストが有効
      • どうしてもお手入れ方法に迷ったらクリーニング店に相談するのが最も安全